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    幸田村

    福岡の劇団HallBrothers・主宰幸田真洋の日記とか雑記とかいろいろ。

    プロフィール

    幸田真洋

    Author:幸田真洋
    劇団HallBrothers主宰・脚本・演出・役者。

    次回公演は2020年5月の予定。
    その前に……2020年3月九州ビジュアルアーツ俳優学科卒業公演『君の背中のナップサック』作・演出。

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    2019.11
    06


    22:56
    Category : 
    朝晩は寒いし、日中も風がひんやりして季節の変化を感じるようになってきましたね。
    そろそろ温泉なんかが恋しい季節で、夕飯時、そんな話を奥さんとしていました。
    すると隣で聞いていた娘が
    「まなちゃんも行きたい!」
    「そうやね。でも、まなは熱いの苦手やん?」
    そうなのです。ぬるいお風呂の中で遊ぶのは好きですが、少しでも熱めのお湯だとすぐに「熱い!」と言って出たがります。温泉に行っても娘のペースに合わせなければいけないので、くつろげるはずがない。
    「でも行きたい!」
    言い出したら聞かない娘に
    「前に一度行ったことあるけど、覚えとう?」
    と問うと「?」な顔。まあ、8カ月の頃なので覚えてるはずないですね。
    3年くらい前、家族3人で温泉に行ったことがありました。
    その時もお湯が熱くて泣きわめき、温泉どころではなかったんですが、
    「そうやん。」
    と奥さんがふと立ち上がりました。
    「これまなちゃんよ。」
    手にはラミネート加工された写真。
    ホテルに到着した日に従業員さんが撮ってくれて、メッセージカードを添え、ラミネート加工するというサービスをしていたのでした。
    写真には8カ月の娘を中心に僕と奥さん。メッセージカードには「パパより」「ママより」とそれぞれ僕らが娘に当てた簡単なメッセージがありました。「生まれてきてくれてありがとう」とかそんなものだったと思います。
    娘は8カ月の自分の姿を興味深そうに見ていました。
    ちょうど夕飯を済ませた頃合いだったので、僕は食器を持って立ち上がり、流しへ向かいました。

    食器を洗っていると、残りの食器や料理を持った奥さんがやって来て、
    「まな、かわいいとよ。」
    と耳打ちしました。
    「メッセージカード読んで、うれしいって言って泣きようっちゃけん。」
    まだ字は読めないので、奥さんが読んであげたのでしょう。
    「生まれてきてくれてありがとう」とか「これからたくさん色んなところに行こうね。」とかそんなことを書いていたはずですが、それを聞いて嬉しいと。涙まで流して喜ぶなんて、なんかこっちも胸いっぱいになるじゃないですか。

    家族、いいですね。ホント、いい。

    温かい気持ちで胸が満たされ、今すぐ娘を抱きしめてあげたいとリビングに戻りました。
    「まな。」
    扉を開けると、床に打ち捨てられたラミネート写真。そしてタブレット動画を楽しんでいる娘。

    ……おっ?
    うれし涙はもう乾いたのかな?

    気を取り直して、

    「まな、抱っこしようか。」
    と声をかけると、あっさり

    「いい。」

    そして動画に夢中。


    ……子どもはすぐに気が変わりますからね。



    寂しい思いを抱きしめて写真を拾ったのでした。