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    幸田村

    福岡の劇団HallBrothers・主宰幸田真洋の日記とか雑記とかいろいろ。

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    幸田真洋

    Author:幸田真洋
    劇団HallBrothers主宰・脚本・演出・役者。

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    HANARO project vol.4『セレモニー』演出 6/30~7/2

    劇団HallBrothers公演は10月ごろ

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    2014.08
    04
    Aに消火器を撒き散らされ、鍵穴をボンドで詰められて、もうこれは出て行くしかないと決意した僕なのであった―

    それからの行動は早かったです。
    まずは、その日のうちに身の回りのものを友人に手伝ってもらってまとめ、翌日、劇団員数名に手伝ってもらって、本格的な引越し作業に取り掛かりました。
    ダンボールに荷物を詰め、表に車を回します。
    車の前に一人ついていてもらい、部屋から車までは劇団員たちに荷物を運んでもらいました。
    僕が動いていたら、絶対Aの野郎が出てきますからね。
    僕は顔を合わせないように、部屋の中で片付けをします。
    しかし、こういう時、劇団っていいですね。すぐに駆けつけてくれましたし、ホントに助かりました。
    彼らが荷物を運んでくれている時、一度、Aがドアを開けて出てきたそうです。
    じっと見ていたらしく、メンバーの一人が
    「ご迷惑かけてすみません。」
    と言ったら、
    「ああ、」
    とだけ答えたそうです。
    不健康そうな顔で気持ち悪かったと言っていました。

    服や雑貨、パソコンなどは車に詰め込み、僕の車だけで足りない分は劇団員の車を出してもらいました。
    冷蔵庫とかテレビとか、車に乗らないものだけ引越し屋さんにお願いし、できるだけ費用がかからないようにします。
    そうして、一日二日中には引越しを完了させました。

    幸い僕らにはすぐ近くに帰れる実家がありましたし、引越し作業を率先して手伝ってくれる仲間もいたので、以後、Aと顔を合わせることもなく、きれいさっぱりサヨナラできましたが、もしこれが遠い地で、周囲に頼れる仲間がいなかったら・・・と思うと、ぞっとします。

    最後の荷物を車に詰め込み、部屋の掃除も済ませて、いよいよ退去という時に、どうしてもしておきたいことがありました。

    かつて、Aにもらった液体洗剤ダウニー。

    使ったのちに
    「やっぱあれ返してくれん?」
    とか言われてもイヤだし、大体、気持ち悪かったので一回も使ってなかったのです。
    これを、Aの野郎に突き返したい。
    Aの部屋のインターホンを鳴らし、
    「もう引っ越すんで、これ、返します。あ、一回も使ってないんで。どうぞ。」
    と鮮やかにAの鼻っ面に突き出してやりたい―と妄想しましたが、小心者の僕にはそんなことできません。

    結局、Aの部屋の前、廊下に置いてきました。
    Aがドアを開けたら、ダウニーとこんにちわするように。
    一回も使われていないダウニーを見て、結局、あなたとわたしは溶け合うことができませんでした、という文学的なメッセージ(笑)にAが何かを感じ取ってくれればいいですけど。まあ、無理か。

    こうして、僕らは2年間住み慣れた場所から出て行ったのでした。

    Aと初めて会ったのは、確か3月の終わり頃のことだったと思います。
    そして、僕らが出て行ったのは9月の終わり頃。
    半年です。
    たった半年で、生活は破壊されてしまいました。

    あの時、僕がキレてAに怒声をあげなければ、また違ったのかな、とも思います。
    奥さんがジェスチャーをしなければ、こうならなかったのかな、とも思います。
    あるいは、Aの誘いに応じて、酒を酌み交わしていれば・・・

    いや、結果論ですね。
    半年の間にAの行動はエスカレートしていっていましたし、どうやったって、いずれ僕らにも被害が及んできたでしょう。
    僕らが出て行くか、彼が出て行くかのどっちかしかなかったと思います。

    結局、彼は何だったのでしょうか。
    普通の人は気にならないような足音などに、過敏に反応していたので、精神の病気だったりしたのかもしれません。
    もしくは、薬物中毒とか。
    働かずに、お酒と煙草ばかりやっていたので、まあ、普通でないのは確かです。
    (そういえば、毎週Aの部屋から出るゴミ袋は、袋いっぱいにクリアアサヒの缶が詰まっていました。袋がはちきれんばかりにクリアアサヒの空缶です。いくらなんでも飲み過ぎでしょう。)

    もしかしたら、心を病んでいて働けなかったのかもしれません。
    空虚で、寂しかったのかもしれません。
    ここに来るまでの過程で、いろいろ不幸なこともあったのかもしれないし、報われずに絶望的な思いが積もっていったのかもしれません。
    そう考えると、同情の余地はないこともないですが、まあ、僕からするとそんな事は知ったことではない。
    彼がどんなに大変であろうと、だからといって、迷惑こうむるのはごめんです。

    ・・・まあ、彼のおかげで台本のネタができましたし、結果、九州戯曲賞までいただいので、それはそれで良かったのかな、とも思いますが。

    その後、Aは出て行ったそうです。
    出て行った、というか、追い出されたという方が正しいのかもしれませんが・・・

    どうも家賃を滞納したらしいんですよね。
    何か月か続けて滞納すると、管理会社も退去勧告を出せるらしく、それで出て行くことになったようです。
    彼が出て行った部屋は、壁にボコボコ穴が開いていたとのこと。
    修理代は親御さんにでも請求されるんでしょうね。彼に支払い能力があるとは思えませんから。

    Aは今頃、どこでどうしているでしょう。
    相変わらず、住民に難癖つけて、暴れているかもしれませんね。
    もしくは、病院にでも入れられているのかもしれません。

    そういえば、引っ越してからしばらくして、近くにある喫茶店に行ってみたことがあります。
    夫婦でやっているこじんまりした喫茶店で、よくランチを食べに行っていたので、挨拶がてら顔を出したのです。
    僕が引っ越したんです、と言うと、おばさんが
    「いいねえ。あたしたちはほら、引越したくても、店あるけんね。」
    と、ため息をついていました。
    「あの後、なんかありました?」
    「あ、そういえば、この間、救急車が来とったよ。」
    「え?」
    「自分で呼んだのか知らんけど、自分から乗り込んで行きよった。二三日して戻ってきたみやいやけど。」
    「ああ・・・」

    ・・・謎です。
    また彼女と喧嘩して、負傷したのか、それともいよいよ頭がヘンになっていくAを見て、彼女が呼んだのか。

    まあ、なんにしろ、今もどこかでしぶとく生きていると思います。
    弱いくせにしたたかで、ずる賢くて、しつこいですからね。
    ・・・あ、弱くないですね。そういうやつが一番強い。生き残っていく、という点では強いんです、Aは。


    というわけで、長々続けてきましたこのシリーズも終わりです。
    お付き合いいただき、ありがとうございました。

    Aとのあれこれは、昔、近所のオッサンに日本刀を振りかざされ、怒鳴られたた時以来の衝撃でした。
    あ、この話はまた別の機会に・・・







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