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    幸田村

    福岡の劇団HallBrothers・主宰幸田真洋の日記とか雑記とかいろいろ。

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    幸田真洋

    Author:幸田真洋
    劇団HallBrothers主宰・脚本・演出・役者。

    次回公演は10月末。
    劇団初の県外公演です!

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    2014.08
    02
    奥さんのジェスチャーをキッカケに、ついにAから標的にされる僕ら。
    ここから、大変な目に…

    初秋の頃だったでしょうか。
    僕は家で台本を書いていて、奥さんは出かけていました。
    夕方、奥さんが帰ってきます。それから二人で出かける約束をしていたのですが、僕はちょうどノッていた時。あと5分待って欲しいと言いました。
    「車、すぐ目の前に置いとうっちゃけど。」
    「大丈夫大丈夫、すぐ終わる。」

    僕らが住む集合住宅の前は狭い路地になっていますが、一方通行だし、車通りも多くない。
    しっかり端に寄せて停めていれば、5分くらい問題ないのです。
    しかし、これがいけなかった…

    台本を書き終え、手早く準備をし、すぐに部屋を出ました。
    時間にして10分も経っていなかったと思います。
    そして、車に乗り込んだらー

    Aがエントランスからじっと見ている。

    「ちょ…なんかこっち見ようよ。」
    「いいよ、放っといて行こう。」
    と車を出そうとすると、Aはのそのそとこちらへ近づいてきます。しかも、裸足で。

    ええーっ!?

    僕らが部屋から出る音を聞いていたのでしょう。そして、裸足で駆け出してきたんでしょう。っていうか、なんで裸足!?

    Aは車の前に立ち塞がりました。そして、じっとしています。
    いくらAといえども、跳ね飛ばして走り出すわけにはいきません。
    僕らは唖然ときて顔を見合わせました。
    と、おもむろにAがしゃがみ込みました。
    しょうがないので外に出ます。
    するとAはナンバープレートに手をかけようとしているではありませんか。
    「ちょっ、何ですか?」
    「あ?」
    「いや、何してるんですか、やめて下さいよ。」
    「ナンバーを取るったい。」
    「え、何でそんなことするんですか?」
    「いやいや、ここ停めていいと?ねえ?この建物の前にさ、停めていいと?」
    「いや、すいません。それはこっちが悪かったですけど、5分10分なんで、」
    「だけん停めていいとって?駐車違反やろ?」
    「いや、あの…すいません。でも、何でナンバー取るんですか?」
    「警察に突き出すったい。駐車違反しとうって。」
    「じゃあ…今、警察呼んで下さい。」
    「何で呼ぶと?呼ばんでいいよ。」
    「え、だって駐車違反のこと言いたいんでしょ?」
    「警察は関係なかろうが。」
    「いやいや、駐車違反ってことを言いたいんでしょ?だったら警察に来てもらいましょうよ。」
    「だけん、警察は関係なかろ?」

    …この矛盾した論理。
    Aはとにかく難癖つけたいだけなのです。
    そして、ずる賢いのが決して車には手を触れないところ。
    ナンバーを触ろうとしたら僕が降りてくるのが分かっていて、わざとそういう仕草だけするのです。
    実際に手を触れたり、ナンバーを引き剥がすと器物損壊罪になりますからね。
    そしてそれは対・人に対しても同じことで、上記のように苛つかせ、挑発するような言動は取りますが、絶対に自分から手は出さない。
    しばらく押し問答が続いて、僕も我慢の限界でした。
    そして、この数日前に、Aとその彼女は深夜に激しい痴話喧嘩をし、外へ閉め出されたAがドアをガンガン蹴りまくって、ボコボコに凹ませるという事件があったのでした。
    先端の尖ったものでドアを何度も突き刺したようで、ドアの表面は無残にもハチの巣のようになっています。
    それらの迷惑&異常行動が積み重なったのもあって、ついに僕は爆発してしまいました。
    「うるさいんじゃ、このボケが!警察呼ぶって言いよろうが!大体、なんやお前は!?迷惑かけることばっかしやがって!ドアもボコボコやないか!?お前んちかもしれんけど、まわりにみんな住んどるんじゃ、いい加減にしろ、ボケッ!」

    僕は基本ケンカなどしない男なので、人に罵詈雑言を浴びせることなど滅多に…というか芝居以外ではなかったんですが、さすがにこの時ばかりは堪忍袋の緒が切れました。

    Aは…無でした。

    全ての時間が止まったかのように、ピタリと止まっていました。
    「穴のあいたような目」という表現が小説で使われますが、正にそういう目で、あんな目をするやつは後にも先にもAしか見たことがありません。

    そして、唐突にスイッチが入ったように、
    「言ったな…お前言ったな…知らんぞ、どうなっても知らんぞ。」
    と呪いの言葉を吐くと
    「こいつ、(暴言を)言ったよ!オレに(暴言を)言ったよ!」
    と叫び出し、道行く人、車、通りかかる誰彼に喚き出しました。
    当然、通りすがりの人は何のことだかわかりません。
    自転車に乗ったおばちゃんはAの奇行におののいていました。
    「すいません、何でもないです、すいません、」
    僕はまるで介護ヘルパーのように、暴走するAの前に割って入り、通りすがりの人を逃がします。
    するとAは近くにある酒屋に駆け込み、喚いています。
    ちなみにこの間、裸足です。

    酒屋のおじさん、立ち飲みに集まっているサラリーマンたちもギョッとしていました。
    目の下に不気味な隈があり、よれたTシャツを着て(数日前の痴話喧嘩で破れていました。っていう着替えろよ、そんなの!)、裸足の30半ばらしき男が、
    「こいつ言ったけんな、俺に言ったけんな!俺は聞いたけん!通らんよ!逃げようとしても通らんよ!」
    などと意味不明なことを訴えかけてくるのです。
    それはもう、ギョッとするでしょう。
    そして、一体何のこっちゃ?とポカンとします。
    Aはその空気を察してか、酒屋を駆け出し、僕らの住まいの方へ引き返し始めました。
    と、いたいけな少年とお父さんが自転車に乗って並走しています。
    Aは少年の前に立ち塞がり、先ほどの言葉を喚きました。
    もちろん少年は何のことだかわかりません。恐怖で固まり、目を伏せていました。そりゃそうです。あんな顔まともに見たらトラウマになります。
    「何ですか?」
    お父さんが落ち着いた声でAに言います。しっかりしたお父さんです。
    「だけん、こいつがさ、駐車違反しとったったい。通らんやろ?それは通らんよ。」
    「え?どういうことですか?順を追って説明して下さい。」
    「すいません、あの、この人、あれなんで…」
    僕はお父さんに目で訴えます。
    お父さんは「ああ」とすぐに合点がいったようでした。
    「警察は呼びましたか?」
    「だけん警察は関係ないって」
    「呼びました。」
    奥さんが車から降りて言いました。
    僕らがもめている間に通報してくれたようです。
    「では、あとは警察と話し合って下さい。」
    お父さんは息子の手を引き、素早く立ち去りました。
    ほどなく、警察がやって来ます。
    もう何度もお世話になった交番のおまわりさんたちです。
    二人がAをなだめに行き、一人が僕の方へやって来ました。
    「どうしたと?」
    僕は手短に事情を説明します。おまわりさんももう分かり切っていることなので、
    「もう行っていいよ。あとはどうにかするけん。」
    と言ってくれました。
    そして、僕らは喚き続けるAを背に、車を発信させたのでした。

    その夜、帰宅するとやはりインターホンが鳴りました。
    もちろん、Aです。
    すぐに警察に電話し、来てもらいました。
    「今夜はここを出て、実家に行きます。どうせおまわりさんたちが帰ったら、またしつこくやって来ますから。」
    「そうやね、それがいい。」
    僕らが身支度をする間、一人が僕らの部屋の前で待機、二人がAの部屋の前で待機と、厳戒体制が敷かれました。
    そして僕らは無事に脱出できたのですが…

    あの晩、家から出た方が良かったのか、家に残っていた方が良かったのかは今でもわかりません。
    この後、Aは消化器を撒き散らしたのでした。
    次回はその写真付きでお送りします!








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