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    幸田村

    福岡の劇団HallBrothers・主宰幸田真洋の日記とか雑記とかいろいろ。

    プロフィール

    幸田真洋

    Author:幸田真洋
    劇団HallBrothers主宰・脚本・演出・役者。

    次回公演は10月~11月。大分・福岡で!

    大分舞台芸術フェスティバル参加作品
    『だめな大人』

    10/28.29@大分 AT HALL
    11/9~12@福岡 博多リバレインホール

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    2014.07
    27
    一年数か月ぶりのシリーズ更新です。
    いろいろありました。シリーズはこちら。

    このシリーズは、以前僕が住んでいた集合住宅でのお話しです。
    迷惑千万な住人Aとその彼女。
    住民に「足音がうるさい」と激しいクレームをつけて追い出してしまう、深夜に激しい痴話ゲンカをする、そのあげく、Aはオートロックの外に締め出され(彼女は酔うと暴力性を発揮します)、オートロック緊急解除ボタンを押す(救急車やパトカーのようなものすごい音が鳴ります)―


    Aは一体、何の仕事をしているのでしょう。
    昼間は家にいて、酒を飲むか煙草を吸うか寝てるかのどれかです。
    ということは・・・無職、でしょうね。
    夜も酒を飲むか煙草を吸うか痴話喧嘩するか住民にクレームをつけるかのどれかですから、働いている形跡がまるでない。

    一度、朝方に作業着を着て外に立っているのを見かけたことがあります。
    軽トラックが迎えにきて、Aを乗せ、走り去っていきました。
    肉体労働をしているのかな、とも思いましたが、その姿を見たのは後にも先にも一度きりです。
    せっかく職が見つかったけど、すぐ辞めたかクビになったかもしれません。
    そりゃそうです、Aがまともに働けるとは思えないですから。

    そんなAですから、当然、ストレスは溜まるでしょう。(本人も迷惑行為を繰り返すのはストレスのせいと言っていました)

    そして、だんだんとエスカレートしていくようになってきました。

    ある日の宵の口。
    表通りからガッシャン!ガッシャン!と派手な音が聞こえてきました。金属がたたきつけられた時に鳴るような派手な音です。

    Aが暴れるのはたいてい夜中です。19時ごろの、まだ人通りも多い時間に暴れたことはなかった。
    しかし、この異常な音はAが何かしている以外に考えられないと窓の外を見ると・・・

    Aが集合住宅前に停めてある住民たちの自転車を道路に放り投げています。
    その中には僕や奥さんの自転車もありました。

    大胆に、道路の真ん中に放り投げています。
    会社帰りのサラリーマンがぎょっとした目で通り過ぎていきました。
    幸い、車通りがほとんどない路地でしたから、車と衝突する、なんてことはありませんでしたが、もしたまたま車が通りかかったとしたら、大変なことになっていたはずです。
    そのくらい大胆に、何の躊躇もなく道路の真ん中へ放り投げていました。

    僕らが住んでいる集合住宅の隣には、小さな居酒屋がありました。
    居酒屋のおばちゃんも何事かと出てきます。
    お客さんのサラリーマンたちも何事かと出てきます。
    道路に散乱している自転車たちを見て、ぎょっとしていました。
    彼らが出てきた時にはAの姿はなく、ただ無残に放り投げられた自転車たちが転がっているだけでした。

    おばちゃんとサラリーマンたちが、とりあえず自転車を道路脇によけます。
    僕も手伝いにいこうかと思いましたが、Aに出くわしたら恐ろしいと思ったので、動けませんでした。

    こんな時間に、しかも自転車を放り投げるなど、今まで見たことがありません。
    Aは一体どうしてしまったのかと事の推移を見守っていると―

    Aがのっそりと現れました。

    それから、おばちゃんを激しくののしり始めました。
    おばちゃんもサラリーマンたちも困惑しています。
    どうやら、居酒屋の音がうるさいとAは主張しているようでした。

    Aの住む部屋は居酒屋と隣り合っています。
    とはいえ、ぴったり建物がくっついているわけではなく、間には1mほどの通路があります。
    居酒屋からにぎやかなサラリーマンたちの笑い声が聞こえることもありますが、自転車を投げて怒りを表現するほどのレベルではない。というか、そもそも人の自転車をそんな表現に使わないでほしい。
    もちろん、居酒屋はその日急にオープンしたわけでも何でもないし、その日だけ特別にうるさかったというわけでもない。
    そこに居酒屋があって、喧騒があるのは何か月も住んでいるAだってわかりきっていることのはずですが・・・

    おばちゃんも負けじと対抗します。
    サラリーマンのおじさんたちも赤ら顔で「まあまあ」とか「そりゃそうがないよ」とかAをなだめています。
    しばらく口論が続いたのち、おばちゃんは埒があかん、といった風でさっさと店に引っ込んでいきました。
    追いかけようとするAをサラリーマンたちが止めて、またしばらく話していました。
    サラリーマンたちはAの主張を「うんうん」とか「ああ」とか聞いているようです。
    酔っているので、親身に、というよりも適当に聞いているようでした。
    それでもAは話し続けます。
    何分くらい話したのかわかりませんが、そのうち―Aはなんだか上機嫌になって、部屋に入っていきました。



    ・・・話聞いて欲しいだけなんかい!



    その日のその後は何事もなく、平穏に過ぎていきました。
    ただ、僕と奥さんの自転車が無意味に傷ついただけです・・・


    つづく。


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