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    幸田村

    福岡の劇団HallBrothers・主宰幸田真洋の日記とか雑記とかいろいろ。

    プロフィール

    幸田真洋

    Author:幸田真洋
    劇団HallBrothers主宰・脚本・演出・役者。

    次回公演は2018年1/31~2/3
    @パピオビールーム大練習室
    キビるフェス~福岡きびる舞台芸術祭~2018

    『となりの田中さん』を再々演します!

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    2011.12
    27
    Category : 鬼嫁日記
      寝室。布団に潜って寝ている夫。
      その側で、うかない顔をして座っている妻。

    夫  「ううん・・・」
    妻  「!」

      夫、ふと目を覚ます。

    妻  「・・・・・・」
    夫  「・・・ん?」

      夫、側に妻が座っていることに気づく。

    夫  「(目をこすりながら)・・・なに?」
    妻  「(歯切れ悪く)うん・・・」
    夫  「・・・なに?どうかした?」
    妻  「うん・・・ちょっと・・・」
    夫  「え、なに?」
    妻  「・・・実は・・・謝らなきゃいけないことがあって・・・」
    夫  「え?」
    妻  「・・・怒られて当然なこと・・・してしまって・・・」
    夫  「・・・なに?」
    妻  「怒っていい。怒っていいからね。それなりのことしたんだから・・・」
    夫  「え?え?」
    妻  「ホント・・・うん・・・怒られて当然だから・・・」
    夫  「ちょっと、何のこと?」
    妻  「・・・DVDが壊れた。」
    夫  「・・・は?」
    妻  「レコーダーが壊れた。っていうか、壊してしまった。」
    夫  「・・・ええ!?」
    妻  「(しおらしく)・・・ごめんなさい。」
    夫  「え、え、どういうこと?」
    妻  「・・・壊してしまった。」
    夫  「え?壊したって・・・え?」
    妻  「ごめん・・・」
    夫  「いやいや・・・どういうこと?壊れたって・・・え?」
    妻  「トレイが閉まらなくなった・・・」
    夫  「トレイが?」
    妻  「そう。ディスクトレイが。」
    夫  「なんで?」
    妻  「・・・ハードディスクがいっぱいになったから、DVDに焼こうと思ったの。」
    夫  「うん。」
    妻  「で、焼いたの。撮りためてた映画を。」
    夫  「うんうん。」
    妻  「それで、終わった後にタイトルを書いた付箋紙をディスクの表に貼ったの。」
    夫  「ああ・・・いつもやるように?」
    妻  「そう。いつもやるように。で、そのまま片付ければよかったんだけど・・・ふと、ちゃんと撮れてるか気になって・・・」
    夫  「気になって?」
    妻  「確認してみようと、ディスクをトレイに置いて、閉まるボタンを置いたの。付箋紙をつけたまま。」
    夫  「つけたまま!?」
    妻  「うん。すごいぼんやりしてて、その時・・・」
    夫  「で、」
    妻  「で、ハッと気づいて、慌てて開くボタン押したら、トレイは開いたんだけど、ディスクの表に貼ってた付箋紙はなかった・・・」
    夫  「ああ・・・レコーダーの中で取れちゃったんだ・・・」
    妻  「そうみたい・・・それから、トレイが閉まらなくなった・・・」
    夫  「えええー・・・」
    妻  「・・・ごめんなさい。」
    夫  「ちょっとちょっとマジで・・・(と立ち上がる)」
    妻  「ごめんなさいごめんなさい。怒った?怒ったよね?」

       夫、DVDレコーダーの前にしゃがみこみ、トレイの奥で口を開けているディスク収納口をのぞく。

    夫  「ああ・・・あるね・・・付箋紙・・・」
    妻  「怒ったよね?怒られて当然のことだもんね・・・」
    夫  「(大きくため息をついて)ハア・・・」
    妻  「ごめんなさいごめんなさい・・・」

       夫、立ち上がって、

    夫  「・・・っていうか、何で付箋紙貼るの?」
    妻  「・・・え?」
    夫  「いや、前から思ってたんだけど。マジックでディスクの表面に書けばいいじゃない。タイトル。」
    妻  「・・・・・・」
    夫  「付箋紙貼ってたらさ・・・見る度に外して、見終わったらまた貼って、ってしなくちゃいけないでしょ。」
    妻  「そうだけど・・・」
    夫  「それ、めんどくさくない?こういう事故だって起こりやすいし。」
    妻  「かもしれないけど・・・」
    夫  「今度からマジックで書いてよ。それがいいよ。」
    妻  「・・・いや、それ嫌いだから。」
    夫  「え?」
    妻  「(ムスッとして)マジックで書くの嫌いだから。」
    夫  「いや、嫌いって言っても、こういうことが・・・」
    妻  「・・・っていうか、そんなに怒らなくてもよくない?」
    夫  「え?」
    妻  「怒らなくていいじゃない。そんなに。」
    夫  「いや、怒ってないよ。」
    妻  「怒ってるよ。」
    夫  「怒ってないって。マジックで書いたがいいよ、って」
    妻  「だからそれ嫌いなんだって!」
    夫  「・・・・・・」
    妻  「大体、これくらいのことで怒らないでよ。」
    夫  「え、いや、・・・」
    妻  「修理すればいいじゃない。明日電話してさ、来てもらえばいいよ。」
    夫  「いや、ま、そうだけど・・・」
    妻  「(ブツブツとひとりごとで)何で怒るのよ、このくらいで・・・どれだけ(器が)小さいのよ・・・」
    夫  「いや、でも、怒っていいって・・・」
    妻  「え?」
    夫  「あ、いや、さっき、怒っていいって言ってなかったかな、って・・・」
    妻  「言ったけど・・・その言い方がイヤ。」
    夫  「え?」
    妻  「ねちねちねちねち、マジックで書いたがいいとか・・・だから嫌いなんだってあたしは!マジックで書くの!」
    夫  「ああ・・・」
    妻  「明日、電話して。来てもらって。修理。」
    夫  「う、うん・・・」
    妻  「あーあ、もう、サイアクー・・・・」

      妻、ひとりごちながら布団へ行き、潜りこむ。

    夫  「・・・・・・」

      夫、おずおずとその隣へ入ろうとして、

    妻  「電気。」
    夫  「あ、はい。」

      夫、立ち上がり、蛍光灯のヒモを引っ張る。
      暗転。