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    幸田村

    福岡の劇団HallBrothers・主宰幸田真洋の日記とか雑記とかいろいろ。

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    幸田真洋

    Author:幸田真洋
    劇団HallBrothers主宰・脚本・演出・役者。

    次回公演は10月末。
    劇団初の県外公演です!

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    2011.12
    30
    Category : 日記
    昨日、奥さんと映画を観に行ったんですが、その帰り道、とあるお店に寄りました。
    で、そこで携帯電話を忘れてきてしまったのです。奥さんが。

    家に帰ってから、「携帯がない!ない!」と騒いでいたので、何度かコールしてみました。
    しかし、カバンの中、コートの中、どこからも携帯が鳴っている気配がない。
    これはもしかしたら・・・と思っていると、案の定、奥さんの携帯から電話がかかってきました。
    「すみません、○○○○(お店の名ですね)の○○と申しますけど、携帯電話の忘れ物が届けてありましたので・・・」
    と女性の声が。
    「申し訳ないです。明日、取りに行きますので。」
    と丁重に頭を下げ、電話を切りました。

    そして、今日。
    午前中、そのお店へと出向きました。僕が。
    奥さんは家の掃除やら何やらしなきゃいけないということで、僕が行かされる羽目になったのです。
    「面倒くさいだけじゃないか・・・」
    と思いはしましたが、決して口には出しません。奥さんが恐いのと、実は、もう一つ理由があったのです。
    「すみません、○○○○(お店の名ですね)の○○と申しますけど、携帯電話の忘れ物が届けてありましたので・・・」
    と昨晩、電話をくれた女性、この○○さんという名前に聞き覚えがあったからです。

    ○○さんを仮にAさんとしましょう。
    ○○とAに大した違いはない気はしますが、まあ、Aさんとして・・・
    このAさんという名前、中学校の同級生にいたんですね。
    そして、まあ、大人になった今でもそうやって記憶している名前なわけですから、当然、僕は特別な感情を抱いていたりしたわけです。Aさんに。

    同じ苗字なんてそこら中にいるよって話ですよね。
    僕もそう思います。まして、Aさんの名前は何の変哲もない苗字。おそらく日本全国苗字ランキング15位くらいには入る、ありふれた苗字です。
    それでも、何か期待してしまうのが人間。
    それに、風の噂でAさんはキャナルシティのとあるお店で働いていると聞いたことがありました。
    そして、奥さんが電話を忘れたのはキャナルシティの中のとある店。
    これは・・・ほら、期待せずにはいられないじゃないですか。

    キャナルシティに着き、お店を目指します。
    目指す途中で、左手の薬指に光るものをそっと外しました。
    いや、違うんです、何かを期待しているわけじゃないんです、ただ、何と言うか、今日、その瞬間だけは中学生に戻りたいんです。決して、裏切るとか、そういうことでは・・・と、よくわからない言い訳を自分にしながら、光るものをポケットにしまい、お店へ入りました。

    はたしてレジには・・・Aさんがいました。
    やっぱりあのAさんでした。中学生の頃から大人びていましたが、更に磨きがかかってくらくらするほど大人の女でした。
    「あ、すいません・・・あの、携帯を、」
    どぎまぎしながらAさんに声をかけると、すぐに
    「ああ、」
    と反応し、
    「こちらですね。」
    と携帯電話を取り出してくれました。
    「あ、それです。すみません。」
    「どうぞ。」
    Aさんはにこやかに携帯電話を出しだしてくれました。
    僕はぺこぺこしながら、左手で携帯電話を受け取ります。
    そして、話しかけるべきか迷っていました。

    あれから・・・そうです、気づいたらもう20年も経っているのです。
    しかも僕とAさんは同じクラスになったことはありません。
    いや、もう、絶対覚えてるはずないよと思いましたが、でも、小学校の時は同じクラスになったことあるし、ひょっとしてということもありえるかもしれないし、これは話しかけてみた方がいいじゃないのか、いや、でも・・・ともじもじしていたら、
    「なにか?」
    とにこやかに聞かれたので、
    「あ、いや・・・ありがとうございました。」
    とウブな中学生のようにそそくさと立ち去ってしまいました。

    暗い気持ちでキャナルシティを歩きながら、ポケットに手をつっこみました。
    と、手の先が何かに当たります。
    あの頃から変わらず臆病な僕の現実が、そこにはありました。
    それを左手に付けて、家路につきました。とさ。






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