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    幸田村

    福岡の劇団HallBrothers・主宰幸田真洋の日記とか雑記とかいろいろ。

    プロフィール

    幸田真洋

    Author:幸田真洋
    劇団HallBrothers主宰・脚本・演出・役者。

    次回公演は2018年1/31~2/3
    @パピオビールーム大練習室
    キビるフェス~福岡きびる舞台芸術祭~2018

    『となりの田中さん』を再々演します!

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    2010.08
    07
    Category : 日記
    現在、『春、夜中の暗号』の稽古真っ最中です。
    このお芝居、僕が書いたものではありませんし、もちろんHallBrothersの芝居でもありません。僕らも普段お世話になっているぽんプラザホールが10周年を記念して、福岡・九州地域演劇祭を行うのですが、その企画の一環で福岡在住の劇作家宮園瑠衣子さんの作品『よかっちゃん』と『春、夜中の暗号』を連続上演するというものなのです。演じるのは福岡の役者たち。演出は『よかっちゃん』がわたなべなおこさん(あなざーわーくす from東京)、『春、夜中の暗号』が僕です。

    他人の戯曲を演出するのも初めてだし、外部から依頼されて演出するのも初めて。劇団以外の公演というのも初めて。というわけで初めてづくしで途惑いつつも楽しくやらせてもらっています。
    何が楽しいかというと、一言で言えば演出を色々と試せるのが楽しい。
    こう言う言い方が適切かわかりませんが、他人の本なので何を思って書いたのか全くわからないわけです。けれど、そこがいい。
    もちろん、僕なりに「こういうことかな」と解釈して、それを元に演出しているわけですが、絶対的な正解があるわけではない。よって「あら、こうするとここが繋がらないなあ」とか「あまりリアルに見えないぞ」とかあれこれ考える。それであっさりと「じゃあ、こういう風に変えてやってみましょう。」と演出できる。試行錯誤の連続なのです。頭も心もいっぱいいっぱい使う。
    そこではたと気づいたのが、僕は今まであまりに距離感がなく演出をしていたのだな、ということ。自分が書いた本と演出との距離感です。

    僕は「演出と本を書くのとどちらが好きですか?」と聞かれたら、迷わず「本を書く方です。」と答えます。「演出家と作家とどちらになりたいですか?」と問われても、言わずもがな「作家です。」つまり、重心が本を書くことに寄っている。演出はついでなのです(というと極端ですが)
    そういった意識で演出をやっていると、自分が書いた本に思い入れがありすぎて「ここは絶対こうでなければいけない!」と強いイメージを持ちすぎてしまいます。たとえ無理があっても、そのまま押し通してしまう。そうすると役者も無理をしなければいけないし、作品だってその瞬間(シーン)の無理によって歪な形になってしまう。それでも、思い入れがありすぎると絶対にそうしなければならないと信じてしまうのです。妄信ですね。
    芝居を作る土台は戯曲ですけれど、戯曲と芝居は違う。それがわかって、適切な距離感を取れるのが演出家だな、ということに今更ながら気づきました。

    そういえば、昔、とある人に「幸田さんが舞台の上で戯曲を完成させようとしている。」と言われたことがありました。その時はさっぱり意味がわかりませんでしたけど、今ならわかります。
    おそらく、舞台上で行われていることが成立していようといなかろうと、絶対的な正解に向けて芝居を作っていたのでしょう。そしてそれは、人間のいない舞台になっていたのだと思います。
    今回の芝居でやっとこさ演出家としてのキャリアをスタートできた気がします。いやあ、楽しい。お時間ある方は是非、観に来て下さいね。9月2日~8日です。詳しくは、http://10kinen.info/stage/renzoku.php